サルモネラと法規制
爬虫類由来のサルモネラ感染について
ペット爬虫類とサルモネラ関連の注意喚起が厚生労働省から流れました。(千葉県の例)サルモネラに関しては別途まとめて記事にする予定でしたがとりあえず面白い資料を見つけたので紹介します。
ペット爬虫類とサルモネラに関してはアメリカでの規制が有名です。アメリカでは甲長4インチ以下のカメの販売、商業的配布が禁止されていますが、これはサルモネラ対策によるものです。4インチがどこから決まったのかは不明ですが、よく言われるように口に入るサイズと言うわけではなく、小さなカメは特にかわいらしく魅力的であるため、ペットとして飼われやすいということが理由のようです。
成長後はかわいいというより威厳があるって感じですね。
アメリカのカメ規制条項 21CFR1240.62
実際にこの対策はかなり効果的に働いたようで、カメのペットとしてのポジションは随分順位を下げ爬虫類由来のサルモネラ感染者を減少させた模様です。
同じような対策を採っていた国がスウェーデンです。スウェーデンでは甲長10cm以下のカメの輸入を禁止するとともに、それ以上のサイズまたはその他の爬虫類でもサルモネラフリーの証明書を添付しなければ輸入できない仕組みをとっていました。
ところがEU加盟に伴い独自の輸入制限が不可になったことから、この爬虫類に対する制限は1995年から順次撤廃されることになったそうです。
この撤廃により1990-94年間では全サルモネラ感染者のうちの1.2%がRAS(reptile-associated salmonellosis:爬虫類によるサルモネラ感染)だったのに対し、サルモネラフリーの輸入要件が不要になった1995年には4.5%、さらに爬虫類関連の輸入要件がすべて撤廃された1996-97の2年間には11.7%まではねあがったとのこと。
このことを脅威に感じたスウェーデンの感染症対策委員会では1997年から新聞を中心とした啓蒙活動を実施しRASは6.0%にまで減少させる事に成功しましたが、輸入制限撤廃以前の値には戻せなかったそうです。
この事からスウェーデン同様爬虫類の多くを輸入に頼っている日本でも、こうした輸入規制を実施すればかなりの効果が挙げられると思われます。逆にこうした輸入規制が行われれば、爬虫類飼育愛好家にとってはかなりのダメージになるでしょう。こうした法による規制をさけるためにも、爬虫類飼育者は飼育している爬虫類によるサルモネラ感染を防ぐために十分な注意を払うべきだと思われます。
なおアメリカのCDCでは5歳以下の子供が爬虫類に接触すること、および1歳未満の幼児のいる家庭での爬虫類飼育禁止を推奨しています。
ちなみに、RASのうちスウェーデンの実績ではカメによる感染者はヘビおよびトカゲ由来に比べ低年齢だったとのこと。
Source: Effect of Regulation and Education on Reptile-associated Salmonellosis
(2005/12/30)